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ハノイ国家大学
外国語大学
大学院学部

NGUYỄN THỊ THANH BÌNH

日本語における条件表現
(ベトナム語との対照)

CÂU ĐIỀU KIỆN TRONG TIẾNG NHẬT
( CÓ ĐỐI CHIẾU VỚI ĐƠN VỊ TƢƠNG ĐƢƠNG
TRONG TIẾNG VIỆT )

修士論文

専攻科目: 日本語学

ハノイ, 2013 年

1



ハノイ国家大学
外国語大学
大学院学部

NGUYỄN THỊ THANH BÌNH

日本語における条件表現
(ベトナム語との対照)

CÂU ĐIỀU KIỆN TRONG TIẾNG NHẬT
( CÓ ĐỐI CHIẾU VỚI ĐƠN VỊ TƢƠNG ĐƢƠNG
TRONG TIẾNG VIỆT )

修士論文

専攻科目: 日本語学
指導教官:

ハノイ, 2013 年

2

Đỗ Hoàng Ngân, Ph.D


誓言
修士論文が他の人のものではなく、自分の研究を誓う。論文の内容は参考文献に
述べる本、雑誌、論文などに載せられる資料、研究を利用する。また、論文に述べ
る結果は信頼度があり、以前に発表されていない。

ハノイ、2013 年 5 月 28 日

3


謝辞
本研究を行うため、他の方々から、ご協力及び援助をいただきました。まず、
東洋言語と文化学部の


先生は本研究に対して、深い関心を示され、

研究の大枠から問題設定まで懇切なるご指導を与えてくださいました。厚く感謝申
し上げます。また、ベトナム社会科学アカデミー研究所、人文社会科学大学、貿易
大学、ハノイ大学、外国語大学の東洋言語と文化学部の先生方が貴重なご意見をく
ださったことにも心から感謝いたします。そして、調査に協力してくれたフオンド
ン大学外国語学部日本語学科の3年生にも感謝したい。

4


概要
日本語における条件表現(ベトナム語との対照)

日本語における表現は非常に複雑なカテゴリーだから、ベトナム語母語話者の
日本語の学生は主に「と・ば・たら・なら」などの順接条件の区別に困り、混同す
ることが多い。本稿で日本語における条件表現を考察し、その中で順接条件の意味
用法、特徴を中心に考察し、「と・ば・たら・なら」の類似表現を区別する。同時
に頻度、分類、構造と意義についてベトナム語の条件表現との対照をする。大学で
使用されている初・中級レベルにおける教科書に載っている日本語の条件表現の割
合を統計し、考察した。その他学習者の条件表現の運用能力も考察した。これらの
結果を踏まえ、学習者の条件表現の運用能力を高めるために、指導法と参考資料作
成を提案した。

5


表リスト
1.表 1

日本語の条件文の分類

6

2.表 2

日本語の条件文の分類2

7

3.表 3

日本語の条件表現の分類 3

7

4.表 4

筆者による日本語の条件表現の分類 4

8

5.表 5

「と」「ば」「たら」「なら」の比較

19

6.表 6

順接条件を表す助詞の意味・用法及び制限の概要

23

7.表 7

ベトナム語の条件表現の分類 1

27

8.表 8

ベトナムの条件表現に属する文型のタイプ

27

9.表 9

ベトナム語の条件表現の分類 2

32

10.表 10

日本語の条件表現とベトナム語の条件表現の比較

35

11.表 11

日本語の条件表現とベトナム語の条件表現の比較のまとめ

40

12.表 12

各教科書に提示されている条件表現「と・ば・たら・なら」の用 43


13.表13

初級教科書における条件表現「と・ば・たら」の用例数

45

14.表14

中級教科書における条件表現「と・ば・たら・なら」の用例数

46

15.表15
16.表 16

47

調査の概要

47

テストの正答率

6


図リスト
1.図 1「と」「ば」「たら」「なら」の関係図

25

2.図 2「と」「ば」「たら」「なら」の正答率

51

3.図 3「と」の正答率

52

4.図 4「ば」の正答率

53

5.図 5「たら」の正答率

55

6.図 6「なら」の正答率

57

7.図 7「と」「ば」「たら」「なら」の正答率の比較

57

7


目次
序論
1
1.研究の背景
1
2.研究の目的
1
3.研究方法

1

4.研究の対象と範囲

2

5.先行研究

2

6.論文の構成

3

本論
5


章日本語における条件表現
5

1.1 条件表現とは

5

1.2 条件の分類

6

1.3 順接の条件表現の用法

8

1.3.1「と」形式
8
10

1.3.2「ば」形式
1.3.3「たら」形式

11

1.3.4「なら」形式

12

1.4 順接の条件表現の比較

13

8


1.4.1 「と」も「たら」も両方も使える場合

13

1.4.2「と」も「ば」も両方も使える場合

14

1.4.3 「たら」
「ば」も両方も使える場合

14

1.4.4 「なら」も「ば」も両方も使える場合

15

1.4.5 「と」だけ使える場合

16

1.4.6「たら」だけ使える場合

16
17

1.4.7 「ば」だけ使える場合

18

1.4.8 「なら」だけ使える場合

19

1.5 第1章のまとめ





1.5.1 「と」「ば」「たら」「なら」のまとめ

19

1.5.2 「と」「ば」「たら」「なら」の4形式の意味用法の相違点

22

日本語の条件表現・ベトナム語の条件表現との対照

26
26

2.1 ベトナム語における条件表現
2.1.1 先行研究

26

2.1.2 ベトナム語の条件表現の定義

26

2.1.3 ベトナム語の条件表現の分類

27

2.1.4 ベトナム語の条件表現の文型タイプ

27

2.1.4.1 「Nếu…thì」という文型タイプ
2.1.4.2

29
30

その他 の表現

2.2 日本語における条件表現とベトナムにおける条件表現との対照

31

2.2.1 文書と口頭に出現する条件文の頻度

31

2.2.2 条件文の分類に関する類似点と相違点

31

2.2.3 日本語における条件表現とベトナム語における条件表現との構造 32


対照
2.2.3.1

文中における各成分の位置

32

2.2.3.2

用言の活用

33

2.2.4 日本語の条件表現とベトナム語の条件表現とを意義的に対照 35
する

9


2.2.4.1「と」

35

2.2.4.2「ば」

37

2.2.4.3「たら」

38
39

2.2.4.4「なら」

40

2.3 第2章のまとめ




大学で使用されている教科書の中の日本語の条件表現・大学の学習 43

者の条件表現の運用能力を向上させるための提案
3.1 大学で使っている教科書における条件表現の割合とその考察

43

3.1.1 教科書における「と・ば・たら・なら」の扱われ方

43

3.1.2 教科書における「と・ば・たら・なら」の用例

45

3.2 大学生の条件表現の運用能力とその考察

46

3.2.1 調査の概要

46

3.2.2 調査の方法

47

3.2.3 調査の結果、考察

47

3.2.3.1 アンケートのパートAの考察
3.2.3.2 アンケートのパートBの考察
3. 3 ベトナムの学習者の条件表現の運用能力を向上させるための提案

47
49
58
58

3.3.1 指導法
3.3.1.1 学生は事前に詳しく調べておく必要性

58
58

3.3.1.2 規則の優先性
3.3.1.3 例を通して混同しやすい類似表現の区別

59

3.3.1.4 練習の多様化

59

3.3.1.5 モダリテイによる文末制約への配慮

59
59

3.3.2 参考資料作成
3.4. 第 3 章のまとめ

60

結論

61

参考文献

10


i
資料

iii

付録

iv

11


序論
1.研究の背景
現在、ベトナムでは様々な分野で日本との協力関係が拡大されるとともに、日本
語学習の需要が益々増加している。日本語は一つの言語として研究することも大切
になる。しかし、現在、ベトナムでは日本の著者が書いた資料はほとんど外国人の
ための実践の日本語の教材であり、日本語について先行研究は数尐ない。ベトナム
人にとって日本語の使用は難しい言語だと思われている。日本語の難しさは四つの
文字があり、例外が多い文法の規則、場面によって、言葉と文法の使い分けが違う
ものである。その中で日本の条件表現の使用頻度が高い。条件表現は種類が多く、
相違表現もいくつもあるから、日本語の学習者にとって区別するのは困難である。
条件表現は初級レベル段階で導入されるが、あまり詳しく説明されないことが多
いし、練習も不足である。また、教科書の説明も不十分なので、中級、上級に進ん
でも、
「ば、と、たら、なら」といった類似表現を正確に使用できない現状はフオ
ンドン大学の学習者で見られるのみならず、他の大学の学習者にも共通点であると
思われる。
それに、ベトナムでは日本語の条件表現についての参考資料はまだ尐なく、研究
論文もあるが、ベトナム語で作成されるから、深く理解するのは、簡卖ではないと
言える。それで、「日本語における条件表現―ベトナム語との対照」を研究テーマ
とした。
2.研究の目的
本研究の目的は次のようなことを明らかにすることである。
① 日本語の条件表現の特徴を検討すること
② 日本語の条件表現とベトナム語の条件表現との類似点と相違点を明らかにす
ること
③ 大学で使っている教材の中の日本語の条件表現の考察・ベトナム人の日本語
の学習者の条件表現の運用能力を高めるための指導法を提案すること

12


3.研究方法
本論文では、下記の3つの研究方法を行った。
列記方法

今までの関連研究を基に筆者の観点を加え、日本語の条件表現のポイ

ントを列記して、類似表現を区別した。
対象方法日本語における条件表現とベトナム語における条件表現を対照し、共通
点と相違点を分析し、適切な翻訳の仕方を提案する。
統計方法実践的には第3章でフオンドン大学で初級レベルと中級レベルで使用
されている教科書に載せている条件表現を表にし、その表のデータに基づいて分析
する。それに、フオンドン大学の3年生を対象にし、アンケートと問題用紙をさせ、
分析する。この調査の結果を踏まえて、日本語の条件表現の指導法を明らかにする。
4.研究の対象と範囲
日本語の条件表現を分類するとき、「順接条件表現」および「逆接条件表現」に
分けられることが多い。しかし、論文の範囲では順接条件表現の4形式「と・ば・
たら・なら」を中心に研究を行ってみたい。また、本研究では、テキスト及び先行
研究を参考し、使い分けの意味と用法をまとめると共に、調査結果の資料に基づい
てフオンドン大学の3年生を対象にして条件表現の運用能力を理解する上、指導法
の提案を出す。
5.先行研究
条件表現に関しては、有田(1993)にまとめられるように、多くの先行研究が
あり、歴史的な研究から現代語研究・日本語教育に至るまで、そして哲学的あるい
は論理学的立場からも発言が続けている。歴史的研究においては、対象となる接続
詞は「ば」であり、「ば」を用いた文(条件文)の分析に重点が置かれていたが、
研究対象が現代語に移ると、四形式の違いに研究の中心も変化していく。その場合、
「置き換え可能性」の説明を目指すものもまたそうでもないものもみられるが、方
法論的には、個々の形式が独自に持つ用法の分析に中心を置き、どのような場合に、
どの形式から使われないかという事実がいろいろな立場から以下でも触れるよう
に具体的に示されてきた。また、結論としては、条件の特徴を示す。例えば、山口
(1994)では四式を次のように説明する。
「ば」=一般的な条件を表す用法を介して仮定条件を表す形式となりえた。

13


「と」=卖なる時間的関係から帰結に先行しているにすぎない。
「たら」=完了性の形式。より事象そのものに即した仮定・実際的。
「なら」=判断性の形式。より判断に即した仮定・思考的。
有田(1993)では次のような相違が提示されている。
「ば」=可能世界の限定

「なら」=判断の限定

「と」=状況の限定

「たら」=世界の限定

松岡(1993)は、次のような性格づけている。
「ば」=一般的因果関係の表現
「たら」=時空間に実現する個別的事態の表現
「なら」=ある事態を真であることと仮定して提示する条件
「と」=現実に観察される断起的な事態の表現
また、従来の条件表現の研究の中で欠けていた点は各接続詞の基本的な抽出・説
明することに重視した。その抽象性は置くとしても、そのために、ある形式の意味
を説明するのに別の形式でも置き換えられる例文が使われることがあった点は問
題になっている。それで、特徴的・典型的な用例と、独特の用例の区別することに
注意することが必要である。
また、使い分けも必要になる。なぜならば、論理的な意味が同じでも、ニュアン
スが違う場合を置き換え可能であるかどうかという問題である。この問題は各形式
の本質的な意味を一般化して得られた結論がこのニュアンスの説明になっている
かどうかに重視しなければならない。その結論が抽象的であればあるほど、この問
題は切実である。
本稿では、先行研究で明らかになった具体的な言語事実をできるだけ取り上げ、
あるものはそのまま受け継ぎ、あるものは修正を加えて、さらに新しい点も指摘し
つつ、明快な分類に役立つと期待する。
6.論文の構成
本稿は序論、本論、結論の三つの部分からなっている。
序論では研究課題の背景、目的、研究の方法、研究の対象と範囲、先行研究と論
文の構成について述べる。
本論ではさらに第1章、第2章、第3章に分かれている。
第1章では条件表現の定義、分類、順接の条件表現の用法、順接の条件表現の類
14


似点と相違点の比較を検討する。第2章ではベトナム語の条件表現の定義と分類
を考察して、ベトナム語の条件表現との比較を行う。第3章ではフオンドン大学
で使われている教科書の中の日本語の条件表現の頻度を体系的に統計し、アンケ
ートと問題用紙を分析する上ベトナム人の日本語学習者の条件表現の運用能力を
高めるための提案を出す。
結論では各章の要点をまとめ、今後の課題を示す。

15


本論




日本語における条件表現
条件表現とは
『日本語学キーワード事典』では小池

が条件表現について次のように述

べている。
「条件表現の体系は、順接条件と逆接条件、また、仮定条件・確定条件・恒常
条件の組み合わせでとらえるのが普通である。順接条件は前件と後件との関係に
おいて、前件が後件の事態を成立させるための条件であったり、前件が後件の事
態を発見するための契機となったりするものである。いずれにしても、前件と後
件とは、順当な結果として結びつくものである。これに対して、逆接条件は、前
件から予想される内容と異なる事態、意外な結果が生じたり、また、前件の事態
にあえて反する動作・行為を行ったり前件と後件とが意味的に離反する関係にあ
るものをいう。」 小池



)。筆者はこの定義に基づいて条件表現を考察

する。
条件表現の接続助詞には「と」「ば」「たら」「なら」「ても」「のに」がある。
これらの接続助詞は前件(前節ともいう)と後件(後節ともいう)の間に立ち、
前件と後件を繋いで発話の内容を一つの複文を作り出す。この関係は次のような
三つの形で表すことができる。
① ―――――前件――――
② 前件

→接続助詞、→―――後件――――――。

→「と・ば・たら・なら・ても・のに」→

③ じゅぞくせつ(条件を表す節)



後件
主節


(1)あした雤が降らなけれ
(2)郵便局に行く
(3)薬を飲んだ

ば、

船は出るだろう。

(の)、なら、
のに、

切手を買ってきてくれ。
治らなかった。

前件

後件

一般的に述べると、日本語条件表現は以下の形を持っている。
節 1 条件言葉+節 2
16


日本語の条件条件表現の分類
条件表現は大きい分類が考えられるのである「順接条件表現」と「逆接条件表現」
とに分けられる。そして、この二つ条件表現にそれぞれ仮定条件、確定条件がそな
わっている。さらにこれらの下位分類が考えられるのであるが、このような分類や
実例・内包する問題点などについては松下大三郎『改撰標準日本文法』
(昭 )、
『日
本語条件表現史の研究』(平 )などが詳しい。
安善(

)によると現在まで条件表現の先行研究では日本語の各表現に条件表

現の条件文・理由文・譲歩文のような分類があり、その中条件文を主たる対象とす
る場合もあれば、順接条件・逆接条件と仮定条件・確定条件のような分類における
順接条件及び仮定条件を主たる対象とする場合もあるとのことである。
条件文・原因文・譲歩文と3分類する場合は条件文が「条件」と「仮定」が区別
されずに使われることが多い。一方、順接条件・逆接条件と仮定条件・確定条件表
現の伝統的な枠組みであり、
「条件」
「仮定」が区別される。そして、順接条件・逆
接条件と仮定条件・確定条件との組み合わせから順接条件のみならず逆接条件にも
仮定条件と確定条件が設けられる。 安善



そうすると、一方では、出来事を仮定的に予想しているのか、
(仮定)、実際に起
こった出来事について述べているか(事実、確定)に分かれ、他方で、順当に予想
される結果が起こった場合(順接)と、そうでない場合(逆接)に分かれて、全体
として、次のようである。
表1日本語の条件文の分類
仮定(予想)
順接

努力すればできるように 努力したら、できるように
なる

逆接

確定(事実)

なる

努力してもできるように 努力したのにできるよう
ならない

にならない。
三井

そして、小池(

: )

)により、仮定条件・確定条件とともに、恒常条件も設ける。

恒常条件について「時間を捨象した普遍的な真理として現象であるために、過去に
も未来にも通用するということになり、したがって、確定条件の表現とも仮定条件
の表現ともかかわるものとなる」と述べ、例えば、順接恒常条件とは「ある条件は

17


成立する際にはいつまで以下の帰結句に事態が成立するという、恒常的、普遍的性
格をもったものとして提示するもの」であるとする。 小林



それと共に、小林は「完了性仮定条件」、
「日完了性仮定条件」、
「必然確定条件」、
「偶然確定条件」という概念も出した。これらの概念はそれ次のように定義された。
・完了性仮定条件:未来的において、動作・作用の完了した場合を仮定するもの。
・非完了性仮定条件:現在の事実に関する仮定や現在または過去の事実に反する
仮定(反実仮想)など、完了性以外の一切の仮定を指す。
・必然確定条件:条件句は原因・理由を表し、条件句と帰結句とが必然的な因果
関係を結びつくもの。
・偶然確定条件:条件句と帰結句の事態の成立する卖なるきっかけであったり、
帰結句の事態を認識する前提であったりするもの。 小池





この観点から条件表現を次のように分ける。
表2

日本語の条件表現の分類 2
仮定条件

完了性
非完了性

順接条件

恒常条件
確定条件

(1)条件表現

必然性
偶然確定

仮定条件
逆接条件

恒常条件
確定条件
小池, 1997:11)

安善の分類は以下のように分類する。
表3

日本語の条件表現の分類 3
仮定条件(ば、と、たら、なら)

2 条件表現

順接条件

確定条件(ば、と、たら、なら)

逆接条件

仮定条件(ても)
恒常条件(のに・ても)
(安善, 1999:1)

上記の表を見ると、小林賢次と安善の分類はほぼ同じである。両者は条件表現

18


を「順接条件」及び「逆接条件」に分けている。そして、下位分類すると、「仮定
条件」及び「確定条件」になる。しかし、(1)のほうが具体的で、「仮定条件」、
「確定条件」以外、恒常条件も加え、そして、完了性仮定条件・非完了性仮定条件
及び必然確定条件・偶然確定条件まで分ける。それに対して、(2)はより簡略で、
「確定条件」と「恒常条件」の区別がなくなる。それはいずれも「前件を満たすと
き、後件が起こるのは当たり前である」であろう。
本稿では条件表現のなか、順接条件を中心に考察し、主に安善(

)の分類

に従う分類した。ただし、前件と後件の時間的前後関係も重視するので、尐し調整
をおこなった。
表 4 筆者による日本語の条件表現の分類 4

順接条件
条件表現
逆接条件

時間的前後関係の 仮定条件

と、たら

ある



恒常条件

時間的前後関係のない

なら

仮定条件

ても

恒常条件

のに・ても

そして、日本語の条件表現は順接条件と逆接条件に分類される傾向があるが、
本稿では、
「と」「ば」「たら」「なら」などの順接条件表現を中心に考察する。
順接の条件表現
順接条件表現とは前の事柄(前件)に対する順当な結果が(後件で)来ることを
表すものである。順接表現といえば、「と・ば・たら・なら」があげられる。日本
語学習者にとって区別することは簡卖ではないから、正確に使える人は多いと言え
ない。
次に本論の主な内容としてこれらの四者に一つずつの意味用法、特徴について述
べる。
「と」形式
・条件表現の「と」の作りかた
動詞

い形容詞

な形容詞・名詞+だ

飲む

高い

楽 休みだ





+と

19

+と


飲まない

高くない

楽 やすみじゃない(ではない)

・条件表現の「と」の意味用法
横林

により「と」の意味用法は次のようにまとめられる。

前件の条件を満たすときは、常に自動的に直ちに後件が成立する 恒常条件 。自
然現象、真理、習慣などを表す。
例:(1)彼は家に帰ると、パソコンに向かっている。
(2)春になると、暖かくなる

<習慣>
<自然現象>

(3)温度が高くなると、氷が溶ける

<真理>

b)
「もし~だったら、自然に~なる」の意味 仮定条件 。
「ば」
「たら」と違って、
後件に話し手の希望、意志、命令、誘い、進めなどに使えない。
例:(1)雤が降ると、試合が中止される。
(2)祝日だと、遊園地はすごく込んでいる。
c)
「そのとき」または「~してすぐ」という意味を表す。主語は同じことが多い。
例: (1)家に帰っていると、彼女にあった。
(2)授業が終わると、教室から飛び出した。
d)理由、きっかけを表す。
例: (1)その歌を聞くと、子供のことが懐かしい。
(2)お酒を飲むと、顔が赤くなった。
ある行動の結果が分かったことを表す 発見 。後件は状態を表す表現の過去形
例: (1)家に帰ると、手紙が来ていた。
(2)教室に入ると、だれもいなかった。
横林 1991: 6,7)
・条件表現の「と」の特徴
市川

により「と」の特徴は次のようにまとめられる。

書き言葉にも話し言葉にも用いられる。
b)「たら」「ば」と同じく前件と後件(主節)に時間的前後関係は必要とする。
c)主節の文末に意志表現をとることができない。
d)一般条件でよく使われる。
前件と後件のつながりが大きい。また、前件「と」の主語は他の従属節と同
じく、「が」をとる。 市川





20


「ば」形式
・条件表現の「ば」の作りかた
動詞

い形容詞

な形容詞・名詞+だ

飲めば

高ければ

楽 休みなら

飲まなければ

高くなければ

楽 休みじゃなければ(ではなければ)

・条件文表現の「ば」の意味用法
横林

により「ば」の意味用法は次のようにまとめられる。

)前件が成立するときは、後件も必ず成立する 恒常条件 。ことわざや抽象的論
理関係、一般的真理などによく使う。文末に過去形は使えない
例: (1)都合がよければ、必ず行く。
(2)ちりも積もれば、山になる。
(3)春が来れば、桜が咲く。
b)後件が成立するための条件を前件で述べる「仮定条件」。後件には普通話し手
の希望(~たい)、意志(~よう)、命令(~なさい)、推量(~だろう)などが表
れる。
例: (1)忙しくなければ、来てくださいね。
(2)時間があれば、ぜひ新宿に立ち寄りたいです。
(3)やすければ、買おう。
(4)好きじゃなければ、来なくてもいいよ。
c)前置きや慣用的な使い方
例:

1)よろしければ、手伝ってください。
(2)できれば、一度花見をしてみたい。
(横林

・条件表現の「ば」の特徴
市川によって「ば」の特徴は次ぎのようにまとめられる。
書き言葉的である。ややフォーマルである。
「たら」「と」と同じく時間的前後関係は必要とする。
主節の文末に意志表現を取れない。ただし、前件と後件の主語が異なるとき、
また前件が状態を表すときは、意志表現をとることができる。
仮定条件。一般条件。特に一般条件でよく使われる。

21


「~ば」文は前件「~ば」に焦点が当たり、そこで何が必要か述べるときに
使われる。
市川







1.3.3 「たら」の形式
・条件表現の「たら」の作り方
動詞

い形容詞

な形容詞・名詞+だ

飲んだら

高かったら

楽 休みだったら

飲まなかったら

高くなかったら

楽 休みじゃなかったら(でなかった
ら)

・条件表現の「たら」の意味用法
横林

により「たら」の意味用法は次のようにまとめられる。

前件が成立した時点になって条件を述べる 仮定条件 。 ば と同様後件には話し
手の希望、意志、命令、推量を表す。
例: (1)目的地に着いたら、すぐに連絡してください。
(2)大人になったら、パイロットになりたい。
b)理由、きっかけを表す。文末は過去形
例: (1)犬にえさをやったら喜んで食べた。
(2)薬を飲んだら、眠くなった。
c)「そのとき」または「そのあとで」という意味を表す。前件と後件にはbのよ
うな因果関係はない。
例: (1)ご飯を食べたら、歯を磨け。
(2)お風呂に入っていたら電話がかかってきた。
d)ある行動の結果が分かったことを表す 発見 。後件は話し手の意志とは無関係
な事実が続く。文末は過去形
例: ( )そこへ行ったら、もう会は終わっていた。
( )変な音がするので、隣の部屋に行って見たら、ねずみがいた。
(横林
・条件表現の「たら」の特徴
市川

によって「たら」の特徴はつぎのようにまとめられる。
話し言葉的であること、したがって、論文などの書き言葉では使わない。

22


b)
「と」
「ば」と同じく前件(従属節)と後件(主節)に時間的前後関係は必
要とする。


主節の文末に意志表現をとることができる。質問文も来ることができる。

d)仮定条件で使えるが、一般条件ではあまり使われない。
「~たら」の文では前件で切れ目ができ、後件に注目の事柄が来る。また、
「~たら」の主語はほかの従属節と同じく「が」をとる。
市川





1.3.4 「なら」の形式
・条件表現の「なら」の作り方
動詞

い形容詞

な形容詞・名詞+だ

飲む

高い

楽 休み

+(の)なら
飲まない

+(の)なら
高くない

+(の)なら
楽 休みじゃない(ではない)

・条件表現の「なら」の意味用法
横林

により「なら」の意味用法は次のようにまとめられる。


「もし~だったら」の意味を表す。名詞、な形容詞をつくることが多い。 仮定
条件 。
例:
(1)郵便局に行く(の)なら、切手を買ってきてくれ。
(2) ビールなら、生ビールが飲みたい。
b)動詞について、ある事柄が起こる、または起こっていることを認め、それに対
する話し手の意志、意見を述べる。「もし~(するつもり)だったら、私はあなた
に今次のような助言をする」という意味
例:
(1)冬休みなら、長野県へスキーに行ったほうがいいよ。
(2)好きじゃないのなら、答えなくてもいい。
c)名詞に続いて、話題提示を表す。
例: 1

サッカーなら、ブラジルが一番強い。

(2)日本の伝統的なスポーツなら、やはり相撲だね。
(3)日本人なら、あいまいな言葉を使うことが多い。
横林, 1991:4, 5)

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・条件表現の「なら」の特徴
市川(2005 によって「なら」の特徴は次のようにまとめられる。
書き言葉にも話し言葉にも使われる。
b)「と」「ば」「たら」と異なり前件と後件の間に時間的な前後関係は必要とし
ない。時間の前後関係があるときにも、無いときにも使われる。
c)過去には使われない。
市川, 2005:424,425
1.4 順接の条件表現の比較
1.4.1 「

と」も「たら」も両方も使える場合

・発見の状況
「と」「たら」は X、Y が仮定な出来事ではなく、過去の事実(事実的な関係)
を表す場合がある。X が動作、Y が状態を表す場合は X(動作)がきっかけとなって、
Y((状態)を発見したことという意味を表す。
X





過去の事実

Y



たら

過去の事実

動作

状態

例: (1)ドアを開けると/たら父が倒れた。
(2)机の上を見ると/たら手紙が置いてあった。
・きっかけ
「と」
「たら」が過去の出来事をつなぐ場合、X が Y のきっかけ、原因となる場合
がある。このとき、X と Y の主語が異なり、また Y には話し手以外の動作や出来
事が来る。
X
過去の事実







たら

Y
過去の事実

動作、出来事

動作、出来事

例: (1)兄が殴ると、弟が泣き出した。
(2)餌をやったら やると犬が喜んで食べた。
もし と

の主語が同じだったら、 は主体が自分でコントロールできない非意志

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的な出来事で、やはり
X





を引き起こすきっかけの原因となっている。


過去の動作

Y



たら

過去の出来事

動作

非意志的な出来事

「と」
「たら」も両方とも使えるが、
「たら」を用いると、
「と」に比べ意外な気持
ち、驚きといったニュアンスも表される。
例:
(1)父は横になると/ なったら、すぐに眠ってしまった。
(2)翌日の結婚式のことを考えたら/ 考えると、なかなか眠れなかった。
1.4.2 「と」も「ば」も両方も使える場合
・一般的、習慣的関係
「と」
「ば」X と Y が自然法則、社会の法則など、一般的に成り立った因果関係
によって結ばれることを表すのに使われる。現在の反復的な事態や個人の習慣を表
すことができる。または、
「と」
「ば」過去の反復、習慣を表すことができる。また
は、「と」「ば」の過去の反復、習慣を表す時、文末は「~していた」「~したもの
だ」になることが多い。
X



一般的関係



Y

習慣的関係
例: (1)春になると、芽が出る。夏になると、花が咲く。
(2)体温が上がると、汗が出る。
(3)操作しなければ、コンピューターは動かない。
(4)氷が溶ければ、水になる。
(5)学校に行くと/ 行けば、図書館に寄ります。
しかしながら、習慣的関係を表す場合、尐しニュアンスの違いが出てくることが
ある。
「と」を使った場合、時間的な前後関係を主に表す。一方、
「ば」を使った場
合は卖なる習慣意味だけでなく、必要な条件という意味が加わる。最低条件表現に
近い意味になる。
1.4.3 「たら」も「ば」も両方も使える場合
・X が事実の文:
「たら」
「ば」は会話の時点で成り立っていることを X として表し、X に基づく判

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